その最もつらいのが、食中毒。まあいわゆる食あたりというやつでですね。これはイヤなもんですよ。悪いものを食べた翌日は、まずまともには仕事になりません。トイレの所在地を、四六時中確認しながらの一日になります。もっとひどければ、熱まで出て寝込むという具合です。どんなに気をつけてはいても、渡航のたびに必ず一度はこういう目に遭っているのが実情です。何でなのでしょう? 注意深く検分しながら食べるということができないほど、自分は食にどん欲なのか頭を抱えたくなります。これからアフリカをご旅行されようとご計画の皆様、どうぞお食事の際は、「この食材は古くないか?」「食器は衛生的か?」などという基本的なことは日本にいる5倍くらいは注意をはらいましょうね。

 とはいえ、毎度どこにいてもこんなにおいしいものを何事もなく無事に食しているかというとそうでもありません。というか、そうではなく七転八倒の苦しみで、食すという人間の根元的な行為を、毎度毎度向き合わされるというのが実態ではないかと思います。

 西アフリカにはいると食べ物の風景が若干変わります。こういう写真を見ると、日本にいてもググッとお腹がなりますね。左端が、マリの国営放送局の中にあるいわば社員食堂のランチメニュー。ここは日替わりでライス&ソースの内容が変わって、この日のものはピーナッツソースです。他にも、オクラのソース、トマトソース、あと現地特有の野菜をすりつぶしたねっとりしたソースのものなどいろいろとあるのです。
 真ん中と右端は、道ばたの露天食堂は絶対に利用しない主義の私が、トーゴの首都ロメにて、ある海岸端であえてその方針を曲げて(要するに単にいいにおいに負けただけなのですが)立ち寄った露天の料理です。どうです、おいしそうでしょ? 食べたくなりませんか? 焼きめしというか、トマトソースベースのピラフと、鱈のよう食感のあるお魚料理です。美味でした。

西アフリカのテーブル

 写真中央に見えているのがカランガという肉じゃがに似たケニアの代表的な芋スープ料理ですね。このほかに大きな盛り合わせ皿に、チキンを油で揚げたのがありましたね。現地で言うフライドチキンなのですが、「ケンタッキー」になれきった僕の舌には、まったく違う代物ででした。こちらのお宅は、農家ですので、日本から遠路はるばる来た来客のために、飼っている鶏を一羽まるまる料理してくれたということで、一家の皆さんには僕の訪問がちょっとしたイベントだったわけですね。たいへん感謝感激してごちそうをいただきました。合掌。

このときはお腹がすいていましたねえ。ケニアの首都ナイロビから、日本に招待したことのある木彫り職人さんのご自宅に逆にご招待いただいて、車で2時間ほどかけてマチャコスの田舎まで行ったときです。
 ナイロビを出るときには、マチャコスなら1時間でいけるという話だったので、ろくすっぽ朝ご飯も食べないで出かけたのですが、行ってみれば同じマチャコスでもメイン街道からずっと外れたところで、予想の倍以上の時間がかかって、パラペコで到着したのでした。

 職業柄、年に3回4回とアフリカを旅していながら、未だに悩みの種となるのが食事であったりします。取引先の担当者の方や、一般のお客さんなどからよくご質問を受けるのも、「向こうで何を食べてるの?」という内容が多かったりします。
 そこで、写真を整理していて数枚ほどですが現地で食べている料理の食卓の写真が出てきましたので、ご覧に入れようかと思います。

何を食すか?

 このコーナーでは毎回少しずつ、アフリカ渡航時の風景を、写真とエッセーを交えてご紹介していきいます。他愛ない話ばかりですが、「アフリカ居酒屋」のおつまみにどうぞ。

アフリカ写真館