リ共和国の各部族【バンバラ、ドゴン、マリンケ、セヌフォ】が古くから手掛ける伝統の染め、『泥染め』。
現地では「ボゴラン」と呼ばれ 民族衣装、室内外装飾、お祭りの飾り・・・様々な用途に使われてきました。
「ボゴ」は泥、「ラン」は灰、この二つの材料を掛け合わて、色素を布に沈着させ様々な模様を描いていきます。

はボゴラン。黄は木の葉の煮汁。茶は木の皮の煮汁。
使われる材料と色の種類は原則この3つで、白い部分は色抜きをすることで作り出します。

そして何より驚嘆するのは、全ての描画作業が素手で行われる。下絵は一切なし。これを工芸と呼ぶかアートと
呼ぶかは見る人によって違うでしょうが、描くデザイン全てに意味が込められているという伝統性を自在に使い
ながら、なおかつ作者それぞれの個性が絵に表現されていく仕事はため息が出るものがあります。


フリカの手仕事 というところではいつも賛否両論が出ますが、スピリッツにたいへん高度なものを感じさせ
ながら、細かい部分ではかなり適当な端折りがあるようです。
色むら、滴ダレ、滲み・・ 日本人の感覚ではかなり許し難い「いい加減さ」を、まるで平然とやってのけてくれます。
こういうのは依頼者としてはずっと頭の痛い種ではあったのですが、ずっと彼らの仕事を見てきて「こういう部分も
まとめて、アフリカの手仕事と言えるのではないか」と最近では解釈したりしています。これはもはや価値観との闘い
になってくるのですが、ある部分 自分を否定しないと見えてこない世界もあるのではないかと・・・。
色むら、滴ダレ、滲みも何もない ツルンとしたアフリカアート。想像できますか?


という訳で、言い訳のような前置きが長くなりましたが、こちらの泥染め衣料も かなり出来はいい方ではあるものの、
結構こういった「ハミダシ」があります。滲みと色むらがかなり顕著ですが、これらについてはお客様の判断を仰ぐ
とします。「そういうものは一切ダメ」というお客様は、どうぞおっしゃって下さい。多分お送りできる品物はなくな
ると思います。それはそれだと思います。良いか悪いかではなくて、何と折り合いをつけてやっていくかという問題だ
と思います。・・どうぞご検討下さい。


bogolan(泥染め)はマリ共和国の伝統工芸です。